ちょっと前のことになりますが、去る7月29日に青梅「まちゼミ」のお手伝いをしてきました。
青梅夜具地「夕日色の会」の主催による『プロに学ぶ、布団の作り方』講座です。
まずは「まちゼミ」とは、、お店の人が先生となって、専門知識やプロならではのコツをこっそりと教えるゼミです。 お店の特徴・店主のこだわりや人柄を知ってもら い、お客さんとのコミニュケーションを持つ試みのことです。
また、青梅夜具地「夕日色の会」とは、昭和30年から40年ごろ全盛期だった、機能性とデザイン性に優れたおふとんの生地である青梅夜具地を保存されているところです。
https://www.facebook.com/omeyaguji (青梅夜具地のfacebookページ)
http://life-ome.com/textile/ (おうめ織りめぐり、夕日色の会紹介)
プロに学ぶ布団の作り方 ということで
まずは敷ふとんを製作いたしました。
お綺麗なマダムにもっと関心を持っていただけるよう、寝具技能士会の貴公子が綿入れを担当し、僕は説明役になりました。
ふとんの綿は、広げると大体畳1枚分くらいの大きさになりますが、
それを縦と横、交互に広げていきます。
写真のように、1段目は横に広げたら、2段目は縦に広げます。
これは、製綿すると繊維の方向が揃うので、横方向では裂けにくいのですが縦方向では簡単に裂けてしまう。
そのため交互に入れて、ふとんが生地の中で裂けるのを防止します。
実際に来ている方にやってもらい、切れやすさと切りにくさを体験してもらいました。
こうして、ふとんワタを今回は6層に重ねます。(お客様のご希望の重さによって重ねる枚数は変わります。)
そして、角を切って、ふとんの大きさに折ります。
角を綺麗に作ったら、今度は中央のへこんだ部分を埋めていきます。
ここが、寝心地が一番左右される重要な所です。
人間が横になったとき、頭、胴体、足では重さが違います。
胴体部分が一番重く、次に頭、足となります。
また、端に寝るより、中央で寝ることの方が多いので中央が一番体重がかかります。
そのことを考えながら、どの部分を厚くしていくかを考えながらワタを配っていきます。
キレイにワタを被せたら、布団生地の中に入れていきます。
入れ終わったところで、皆さんに触っていただき、厚さの違いを感じてもらいました。
入れ口を縫い終わったら、ノシツケという作業です。
お布団の成型、生地と、中綿のたるみを取ります。
敷ふとんはそれほどたるみは出ませんが、掛ふとんは薄いのでたるみがどうしても出てしまいます。
なので、今回は掛ふとんのノシツケ作業も見ていただきました。
生地とワタがなじんでいなくてタルンタルン掛ふとんを
まるで魔法のようになじませ、ピッシリとさせていきます。
ここで皆さんの歓声を頂きました。
プロに学ぶ布団の作り方と、いささかハードルの高い講座名なので、どうなるかなぁと思いましたが、ふとん職人が、寝心地の良いおふとんを作るためにやっていることの一部はお伝えできたのではと思っております。
講座の後は、打ち直しについてご説明(打ち直しできるワタ、出来ない綿の違い)
ふとんワタの種類(インド産、メキシコ産、綿100%、綿混わた)などをご説明いたしました。
また、座布団枕の新作もお披露目させていただき、展示・実演販売させていただきました。
お買い上げありがとうございます。
今回このような機会を作っていただき、夕日色の会の向井さんに感謝申し上げます