2015年9月17日木曜日

青梅「まちゼミ」の報告です。



ちょっと前のことになりますが、去る7月29日に青梅「まちゼミ」のお手伝いをしてきました。



青梅夜具地「夕日色の会」の主催による『プロに学ぶ、布団の作り方』講座です。


まずは「まちゼミ」とは、、お店の人が先生となって、専門知識やプロならではのコツをこっそりと教えるゼミです。 お店の特徴・店主のこだわりや人柄を知ってもら い、お客さんとのコミニュケーションを持つ試みのことです。




また、青梅夜具地「夕日色の会」とは、昭和30年から40年ごろ全盛期だった、機能性とデザイン性に優れたおふとんの生地である青梅夜具地を保存されているところです。

https://www.facebook.com/omeyaguji (青梅夜具地のfacebookページ)
http://life-ome.com/textile/       (おうめ織りめぐり、夕日色の会紹介)



プロに学ぶ布団の作り方 ということで

まずは敷ふとんを製作いたしました。

お綺麗なマダムにもっと関心を持っていただけるよう、寝具技能士会の貴公子が綿入れを担当し、僕は説明役になりました。



ふとんの綿は、広げると大体畳1枚分くらいの大きさになりますが、

それを縦と横、交互に広げていきます。

写真のように、1段目は横に広げたら、2段目は縦に広げます。


これは、製綿すると繊維の方向が揃うので、横方向では裂けにくいのですが縦方向では簡単に裂けてしまう。

そのため交互に入れて、ふとんが生地の中で裂けるのを防止します。


実際に来ている方にやってもらい、切れやすさと切りにくさを体験してもらいました。


こうして、ふとんワタを今回は6層に重ねます。(お客様のご希望の重さによって重ねる枚数は変わります。)

そして、角を切って、ふとんの大きさに折ります。





角を綺麗に作ったら、今度は中央のへこんだ部分を埋めていきます。





ここが、寝心地が一番左右される重要な所です。

人間が横になったとき、頭、胴体、足では重さが違います。

胴体部分が一番重く、次に頭、足となります。

また、端に寝るより、中央で寝ることの方が多いので中央が一番体重がかかります。

そのことを考えながら、どの部分を厚くしていくかを考えながらワタを配っていきます。


キレイにワタを被せたら、布団生地の中に入れていきます。


入れ終わったところで、皆さんに触っていただき、厚さの違いを感じてもらいました。





入れ口を縫い終わったら、ノシツケという作業です。

お布団の成型、生地と、中綿のたるみを取ります。



敷ふとんはそれほどたるみは出ませんが、掛ふとんは薄いのでたるみがどうしても出てしまいます。

なので、今回は掛ふとんのノシツケ作業も見ていただきました。

生地とワタがなじんでいなくてタルンタルン掛ふとんを

まるで魔法のようになじませ、ピッシリとさせていきます。



ここで皆さんの歓声を頂きました。



プロに学ぶ布団の作り方と、いささかハードルの高い講座名なので、どうなるかなぁと思いましたが、ふとん職人が、寝心地の良いおふとんを作るためにやっていることの一部はお伝えできたのではと思っております。



講座の後は、打ち直しについてご説明(打ち直しできるワタ、出来ない綿の違い)




ふとんワタの種類(インド産、メキシコ産、綿100%、綿混わた)などをご説明いたしました。










また、座布団枕の新作もお披露目させていただき、展示・実演販売させていただきました。

お買い上げありがとうございます。


今回このような機会を作っていただき、夕日色の会の向井さんに感謝申し上げます








 


2015年4月30日木曜日

いよいよ明日から、鶴ヶ島逸品会スタンプラリーが始まります。



当店の逸品は  「ガッテン枕 D,X」 (座布団枕)






色々改良を重ね、枕としてかなり機能性をアップさせました。



改良点 1、  中綿の量を600gから750gへ増量。ヘタリにくくなりました。

改良点 2、  中央のくぼみを広くして頭が落ち着きやすい。

改良点 3、  首のところに厚みを持たせ頸椎を安定させます。

改良点 4、  左右は一番厚くして、横向き時、肩に負担を掛けない。


ふとん職人の技術の推移を結集して、ここに完成!



その職人技の一部をご紹介


1、綿入れ開始。ワタ2枚半(750g)と生地35×55を用意。








2、普通の座布団と違い本張りというやり方

  (通常座布団はつばくろ張りといって、

   ひし形においてワタを張りますが

   これは、敷ふとんなどと同じ張り方)









3、ワタは縦、横に張ります。  


  こうすることで強度が増します。











4、これを7段から8段、積み重ねます。













5、角を切って、厚くしたい部分に補充します。











6、形にしていきます。厚いから大変です。












7、角作りも大変です。











8、何とか形になりました。











9、これを生地に入れるのがまた一苦労。










10、入った!
 

    この口をくけて、成型し

    中央にくぼみ部分を縫ったら完成









    このように、とても作るのが大変なので、


    繁忙期にはお作り出来ません。  スタンプラリー開催期間のみの販売になります。

                                      ご了承ください。




   


2015年4月12日日曜日

ふとんの余り布で作ってみました。

久しぶりに晴れたので、今日の午前中は配達しまくりました。


今日配達したお客様に、ちょっとしたプレゼントを差し上げました。


おふとんの余り布で作った巾着袋です。


かわいいでしょ。

差し上げたお客様、皆さん喜んでくれました。



後、色違いでこんなの。



じゃなくて、


リバーシブルなのです。



その日の気分で、変えてみてね。


4月から6月まで、ふとん屋さんは暇なんです。

お仕事くれた方に、もれなく差し上げま~す。








2015年4月10日金曜日

保育所用のお昼寝ふとんで難しいご注文。燃えます。

保育所用のお昼寝ふとん、ご注文ありがとうございました。

お子様から「気持ちぃ~」と言ってもらえるような、ふとん作りを心がけております。



さて、本日はちょっと難しいお昼寝ふとんを作成しました。


お母ぁさまから「保育所からの要望で、収納に困るので畳んだ状態で10センチ以下にしてほしい。

しかし、すぐにペチャンコになっては子供がかわいそう。」


このような、ご要望でした。


出来たてのふとんはフカフカなので、かさばってしまいます。

使っているうちに沈み込んでくるんです。


しかし、収納場所があまりない保育所では厚い布団はご迷惑なのでしょう。

ネット通販のお昼寝ふとんは綿わたでも薄く作っています。
このような保育所のことを考えてなのでしょう。


先月、3枚ほど、ネットのお昼寝ふとんを打ち直しして厚くしてほしいというご依頼を受けました。

やはり、1年ほど使うとつぶれてペチャンコになってしまいます。

綿わたですから、太陽の下でおもいっきり干していただければフックラするのですが、

乾燥屋さんが月に1,2回来るだけではあまりフックラしません。

こちらのお母ぁさまも、おそらくこの事を気になさって、当店にお電話いただいたのでしょう、


綴じを多くすれば何とかなるだろう。と考えお受けしました。


当店、基本のお昼寝ふとんは綿混わた、サイズは120×70なので 6.5枚(2.5㎏ぐらい)
(綿100%でもお作りしますよ)

先月預かったネットのふとんは全部、120×70で綿100%のワタが1.0㎏~1.2kg







うちは、その倍以上の量で、尚且つフカフカする綿混わたで作ります。
(すぐにペチャンコにならないためです)


これが、当店の通常の厚さです。









横から見ると、これで10㎝は超えてしまう。

               アウトッ!










そこで、綴じをたくさん、これでもかってします。

































体育マットじゃないぞ。
腰が痛いのでフカフカさせないでという大人用に、このように作ることもあります。









横から見るとこんな感じ。












う~ん、2センチオーバー。

ならば奥の手。















この状態で一晩寝かせましょう。
















明日の朝には、もう少しへこむでしょう。


















保育所の先生方、釈迦に説法ですが、乳幼児の必要睡眠時間は12~14時間です。
夜一度にとれないために、お昼寝をします。
乳幼児のお昼寝は仮眠ではありません。必要な睡眠時間の一部です。
本睡眠でペラペラの敷ふとんに眠ることを想像なさってみてください。
スペースの問題、充分わかります。
しかし、健康な体作りに不可欠なのが質の良い睡眠でもあります。
その子に合った睡眠スタイルがあります。
子供によって睡眠のリズム、生活スタイルも違い、大変とは思いますが、
そのことを考慮の上、寛大な対応をお願い申し上げます。