先日の縫製編に続いて、今回は綿入れ編
先日説明を忘れていましたが。
上の写真のような、状態にした時点で、「縫製が終わりました」
と、審判員に声をかけ、既定の寸法に仕上がっているかを採寸されます。
採寸時間はロスタイムとなりますが、ここまでを3時間で終わらせます。
後半戦、綿入れの開始です。
かいまきふとんの綿入れは「下半身」と「上半身」を部分ごとに作っていきます。
まずは、下半身から、
下半身は、それほど複雑ではありません。
「いびつな掛けふとん」といった感じでしょうか?
手前に「凧の足」のように出ているのはエリになります。
「上半身」の作成の時に使いますが、この時点でワタ作りはします。
掛けふとんと大きく違うのが「エリ下」の部分です。
直角に尖らせるワタ作りはしますが、直角に曲げるワタ作りは「かいまき」だけでしょう。
僕は、かいまきづくりを学ぶまでここが不思議でしょうがなっかたのですが、やってみると「なるほど」と感心しました。詳細は企業秘密です。
エリ下の部分 |
それともう一つ、掛けふとんにはないものが「マチ」です。
下の写真のウサギの耳のようなものです。
これも、「上半身」で必要になります。
そで下にマチのワタを作っておく |
ここまでできたら、生地をかぶせます。
掛けふとんと同じように、きれいにノシツケ(成型)して
綴じてしまいます。
ここで、かいまきの「下半身」ができました。
次に、「上半身」に入ります。
今度は複雑です。袖の部分でいえば、輪になって3Dになります。
また、エリの中央部分は、袖、身ごろ、襟の3つのワタが重なり、どれも同じワタだからどれがどれだかわからなくなる、超難関であります。
下の写真の1枚のワタの、両脇が袖、手前の中央部が後ろ袖から身ごろ・エリ、奥中央部が前身ごろになります。
上から重ねて形を作っていきます。
裏地を位置に合わせて、袖の口を縫っていきます。
この時点で、さっき作ったウサギの耳を生地のまちに合わせます。
袖口が縫いあがったら、丁寧にそろえて、
表袖を作って、生地を被せます。
綿入れの最終工程。表地の衿をまっすぐにのばして、エリを作ります。
くねっと曲がっているわたが、先ほどの凧の足。これを真っ直ぐにした表地に合わせ、三角の部分で両方を合わせます。その時、肩口の方にワタを持っていきます。ここで、エリを厚くしてしまうと不格好なかいまきになってしまいます。
そのあとは、エリ口を縫います。半円状になっている所を2メートル以上クケますので大変時間がかかります。
そうして、上半身を綴じます。(すべての綴じ箇所が100数箇所)。次に肩あて、エリをつけて出来上がりです。
カイマキを作りをご教授いただいてから2年間。初めは何をどうしているのか全然わかりませんでした。これまでに、何度も作っては壊しを繰り返し、丁寧に教えてくださった、亡き師匠に感謝いたします。